「このまま今の会社にいるべきか。それとも、転職という選択肢を取るべきか。」
キャリアの節目でそう自問し、太陽ホールディングスグループへの一歩を選んだ人たちがいる。
#TAIYO Career Journey NEXT は、第2新卒や中途入社で太陽ホールディングスグループに加わった社員に、これまでのキャリアと転機、そしてこれからの挑戦をたどるインタビューシリーズである。
今回スポットを当てるのは、2021年に太陽ホールディングスへ中途入社し、太陽インキ製造 製造部で経験を重ね、入社6年目となる2026年4月に設備課の課長へ昇進した高橋良彰さん。太陽インキ製造は、太陽ホールディングスの中核事業であるエレクトロニクス分野を担うグループ会社で、プリント基板などに使用されるソルダーレジスト※1をはじめとした電子部品向け材料の開発・製造・販売を行っている。
そんな同社でキャリアを築いてきた高橋さんの、転職を決意するまでの葛藤から、入社後の挑戦、そしてマネジメントを担う現在まで――その歩みを、前編・後編の2回に分けて紹介する。
※1 さまざまな電子部品を搭載した基板の表面を覆い、回路パターンを保護する絶縁膜となる材料。基板機能の信頼性を支える重要な役割を担う。
家族と過ごす時間と挑戦できる環境が転職の決め手に
――太陽ホールディングスに入社するまでの経緯を教えてください。
新卒で自動車のシートメーカーに就職しました。いわゆる工場のライン工程での仕事ですが、そこで生産ラインの構築やモノづくりの最適化など、工場設計に関わる業務にも携わり、7年ほど在籍していました。
2021年のコロナ禍で自動車関係の生産がなくなったタイミングで、第一子が誕生しました。それまでは仕事に打ち込む日々でしたが、初めて自分の子供ができた時、あらためて家族との時間について考えました。前職は土日や長期連休は基本的に出勤。トラブルがあれば夜でも対応があり、勤務形態が少し不規則なところがありました。これからは、もっと家族との時間を大切にしたい。そんな想いから転職を決意しました。

――数ある企業の中で太陽ホールディングスを選んだのはなぜでしょうか?
前職は自動車という「寸法や形のある製品」を扱う業界にいて、コロナ禍での生産数減少による、生産停止を経験しました。その出来事をきっかけに、同じ生産技術の仕事でも、化学反応や目に見えないものを扱い、多くの製品や業界に需要が広がっている化学業界のほうが、より安定しているのではないかと考えるようになりました。太陽ホールディングスはソルダーレジストのリーディングカンパニーでありながら、その地位に甘んじず、事業の幅を広げようと挑戦を続けている姿勢に魅力を感じました。また、働き方に対する制度も整っており、ワークライフバランスを実現しながら働くイメージを抱くことができたことも、志望理由のひとつです。さらに、選考を通して、若手社員が工場の立ち上げや自動化に向けたロボットの導入の意思決定に関与したという話を聞いて、若手であってもチャレンジできる環境があると確信しました。こうした点が重なり、太陽ホールディングスで働きたい気持ちが一層高まりました。
――課長としての役割を担うまでに、どんな現場経験や業務を重ねてきたのか、順を追って伺えますか。
製造部は、当社の主力製品であるソルダーレジストをはじめとした電子材料を、高品質かつ効率的に生産するために、工程管理・工程改善、生産設備の導入や保守を担っている部署です。その中でも設備課は、新規製品に関わる新設備の立ち上げや、既存設備の保守・管理を担当しています。新規製品の開発に合わせて適切な設備を導入し量産化を実現するとともに、各設備の保守管理を通じて、毎日の生産活動を支える重要な役割を担っています。
私は設備課に配属後、生産設備の新規導入から保守・維持管理までを幅広く担当してきました。まず、労働安全衛生法に基づき、安全衛生に関するルールの見直しや現場への設備教育を実施し、社内全体の安全水準の底上げに取り組みました。さらに、新規ロボットラインのオペレーター教育や資格取得の推進にも注力し、自部署の製造拠点で唯一となる6軸ロボット※2の安定稼働にも携わりました。
2023年10月以降はチームリーダーとして、保守メンテナンス内容および管理体制の見直しを推進しています。停止時間の削減に向けてメンテナンス方法を再検討するとともに、パーツセンター構想を立ち上げ、“ドカ停”※3の削減にもつなげました。
※2 6軸ロボット 6つの関節を持ち、位置と姿勢を同時に制御できる高汎用性の産業用アーム型ロボット。関節とリンクの組み合わせで構成され、各関節が回転または直動することで、3次元空間での位置と姿勢を自在に変えられ、幅広い工程での運用ができる。
※3ドカ停 「ドカっと停止」。生産ラインや設備が突発的に長時間停止または空転する現象を指す。日本産業規格(JIS)では、設備が生産ラインなどの大規模システムの一部として、システム全体を停止させる重大な故障を「大故障」と定義し、その通称として「ドカ停」と呼ばれている。
――入社前後で太陽ホールディングスに抱いていたイメージにギャップはありましたか?
世界シェアが高く、利益も安定していることから、入社前は「業務が固まっていて、自分が関与できる余地はあまり大きくないのではないか」と思っていました。しかし、実際に入社してみると、これまでに他社とのM&Aを重ねて事業拡大を進めてきた背景もあり、様々なバックグラウンドをもつメンバーが在籍しており、まさに体制や文化を整えている途中の段階でした。業務も「完成されている」というよりは「これから、みんなで一緒に良くしていこう」という段階であり、自分の意見やアイデアを反映させる余地が大きいことに気づき、いい意味でのギャップを感じました。
社内の安全基準を高める。入社1年目からのチャレンジ
――実際に高橋さんが発信者となり、実現した取り組みの中で印象的なものはありますか?
労働安全衛生法に即した業務遂行を現場に浸透させるプロジェクトを立ち上げ、やり切ったことです。着任時に現場での安全体制を確認したところ、さらなるレベルアップの余地があると感じました。そこで上司に相談したところ、「高橋さんにぜひやってもらいたい」と前向きな言葉をいただき、プロジェクトを任されました。
具体的には、製造部と外部委託業者を合わせて50名以上の方に資格を取得してもらい、安全にかかわる知識とスキルの底上げを図りました。保護具についても、200個以上のヘルメットを新しいものに更新したほか、電気関係の資格取得を推進したり、高所作業の際に着用をする安全帯の教育を行ったりと、より高いレベルで法令順守ができる環境づくりを進めました。これらは現場へのインパクトが大きく、非常にチャレンジングな取り組みであったと思います。
――革新的な取り組みである反面、反発も予想されそうですが高橋さんが注力したポイントはどのような部分だったのでしょうか。
最初の説明の際に「なぜ新しい安全基準を設定しなければならないのか」という背景や目的をきちんと定義し、そこから必要性を理解してもらうことを大切にしました。また、作業現場の方が障壁なく取り組めるようなフォローアップも徹底して行いました。例えば、自らが指導員として、作業をレクチャーする機会をつくる、PC作業を苦手とするメンバーがいる際は丁寧にフォローするなど、新しい取り組みであっても無理なく実装できる形を試行錯誤しました。活動を続ける中、徐々に多くの方がプロジェクトの意義を感じてくださるようになりました。社内の理解を得るためには社員1人ひとりの立場に寄り添って、地道に取り組み続けることが大切なのだと学びました。これは私自身が今でも大切にしていることです。

――社内に新しい風を吹かせてきた高橋さん、あらためて中途社員の役割はどんな部分にあると考えますか。
会社の常識を疑い、新しい視点で社内を見ることができるのは、中途社員ならではの強みだと思います。長く会社にいると、どうしても“慣れ”が出てきます。効率的に仕事を進められるようになる一方で、「昔からこうだから」「今のままで問題ないから」と、改善の余地があっても気づきにくくなってしまうこともあります。
その“慣れ”は、これまで現場を支えてこられた先輩方の経験や知見の積み重ねでもあり、決して否定すべきものではありません。だからこそ、私たち中途採用の人材には、その土台を尊重しながらも、外からの視点を持ち込むことで、「本当に今のやり方がベストなのか」を問い直し、もう一段ブラッシュアップしていく役割が期待されていると感じています。
転職のきっかけ、そして自身の経験を通した中途社員の在り方について話してくれた高橋さん、後編ではキャリア形成についてのリアルな思いを聞く。
●プロフィール
高橋 良彰
1991年、群馬県生まれ。自動車シートメーカーで生産ライン構築や工場設計に従事した
後、2021年に太陽ホールディングスグループへ中途入社。太陽インキ製造 製造部 設備課にて、生産設備の導入・保守や現場改善を担当し、安全体制の強化やロボット導入などを推進する。チームリーダーを経て、2026年に課長へ昇進。育児休暇取得の経験を活かし、メンバーを信頼する組織づくりに取り組んでいる。
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